この本は、1冊で何度もおいしい、お得な本だ。
だから、【これからのエリート】なんて鼻につくタイトルだと思って、読み逃すともったいない。
そもそも、エリートの意味は…。
語源は「選ばれた者」を意味するラテン語。社会の指導的地位を独占する特別に優秀な能力を持つ人または集団を指す。(出典「「エリート」とは何か(ある場所に書いた記事です) - MIYADAI.com Blog」)
ま、まあ、「勝ち組」よりいいかな…。
気にせず、おすすめの読み方を紹介する。
おいしい読み方その1:ライフネット生命本として
「ライフネット生命の立ち上げって、すごそうな会社からひとが集まったんだ!へえ!」
確かにいろんな会社から集まっている。
表紙に書かれただけでも、
- マッキンゼー(コンサルティング・ファーム)
- BCG=ボストン・コンサルティング・グループ(コンサルティング・ファーム)
- モルガン・スタンテー(グローバルな証券会社)
- スターバックス(言わずとしてたブランド力のあるコーヒーショップ)
- A・T・カーニー(コンサルティング・ファーム)
- Yahoo!(日本で一番使われている検索エンジン)
キラキラ女子ならぬ、キラキラ男子の集まりだ。
(キラキラ女子をご存知ないかたは、こちらのまとめでもどうぞ!)
「【美女集団】キラキラCA女子(サイバーエージェント女子社員)に関する話題まとめ - NAVER まとめ」 )
おいしい読み方その2:各社から学べるスキルガイドブックとして
「それぞれの会社で働くと、こういう能力が身につくのか!へえ!へえ!」
著者の吉沢氏はP&G(プロクター・アンド・ギャンブル) や人事コンサルティング出身なので○○力がある、という読み方もできる。
それぞれの会社を特定のスキルを得られる場所…と考えたいところだが、個人の能力によるだろうから、参考程度で…。
おいしい読み方その3:強みを軸に働く未来への道しるべとして
「強みを武器に働くと、こんなにパフォーマンスが上がるんだ!(…あ、あれ?おれの強みってなんだっけ?)へえ!へえ!へえ!」
【強みの上に自己を築け】ピーター・F・ドラッカー
と表紙にあるように、この本は強みを中心にした働き方を提案している。
いままでの組織は、平均点な社員を生み出す仕組みを進化させてきた。
誰かがいなくなっても、別の誰かが代替できるように。
組織を維持するうえで正しい発想だったかもしれない。
でもこれからは、どうすれば社員が高いパフォーマンスを発揮する環境になるか?が勝負になってくる。
例えば、Pinterestのオフィスは
http://fashionflight-ami.blogspot.jp/2014/10/welcome-to-pinterest-headquarter.html
テンションが一気に上がりそうなオフィスだ!
でも、そもそも自分の強みがわからない、というかたは、【ストレングス・ファインダー】を受けていてはどうだろうか?
ストレングス・ファインダーは、アメリカの調査会社、ギャラップ社が開発したツール。
自分の強みにつながるような、傾向を分析してくれる。
分析してもらうには、アクセスコード付きの書籍を購入すればいい。
以下の3冊はアクセスコードがついている。
マーカス バッキンガム,ドナルド・O. クリフトン 日本経済新聞出版社 2001-12-01
トム・ラス,バリー・コンチー 日本経済新聞出版社 2013-03-23
ドナルド・O・クリフトン,トム・ラス 日本経済新聞社 2005-05-25
(書評のはずなのに、ほかの本を紹介してしまって、すみません…。)
ちなみに、わたしの強みは、
「着想」「最上志向」「戦略性」「自己確信」「活発性」という結果だった。
おいしい読み方その4:ライフネット生命の求人広告として
「俺も強みを磨きたい!ライフネットって、求人してたっけ?へえ!(数未定)」
こんな面白そうな職場の話を聞けば、一緒に働きたい、と思うのは自然だ。
つまり、この本はライフネット生命の求人広告なのだ!要注意だ!
おいしい読み方その5:組織を変える参考書に
「これからのエリートか…俺には関係ないね!(シーン)」
この本のターゲットは実に大胆だ。
20代〜40代の腕に自身あるビジネスマン
最高のチームを組もうと考えている経営者
どっちでもないよ…。と嘆くことはない。
ベンチャー企業にしか、強みを軸に働く組織を作れないわけではない。
この本からは、ライフネット生命が組織の風土改革に対する知識や知見をもとに、真摯に組織開発に取り組んでいるのが伝わってくる。
【Chapter9 組織として彼らから学べること】では、それまでのChapterの「だれがどんなスキルを持っている」という話の前提としての組織作りの考え方や実施策が紹介されている。
だったら、その方法論を自分の組織へインストールできないか、試みてはどうだろうか。
いくつかのアイデアは、ぜひ取り組んでみたいものもあった。
というわけで、吉沢氏の次回作は、組織開発本をお願いしたい。
へえ!について
※へえ!を連呼する意味がわからないかたに解説します。昔のテレビ番組で、面白いネタがあると、番組ゲストがへえ!と連呼するしかけがありまして…。
最後に
え?わたしがどういう読み方をしたか?
それは秘密。
ライフネット生命採用情報ページ
なお、わたし個人は、吉沢氏と面識があるので、あえて辛口に書かせていただいた。
え?辛口になってない?
吉沢 康弘 クロスメディア・パブリッシング(インプレス) 2014-10-15